日蓮宗について

日蓮聖人(にちれんしょうにん)の生きた鎌倉時代は、お釈迦さまがなくなったあと、仏教が正しく理解されず、悪い教えがひろまって人々を苦しめる末法(まっぽう)という時代に入っていました。

生きることと死ぬことの意味、地震(天災)や戦(人災)で人々が苦しむわけを知るため、日蓮聖人は仏教の経典をすべて読みました。

そして、お釈迦さまが悟った真理は、法華経(ほけきょう・妙法蓮華経)に書かれている、と知りました。

法華経には、お釈迦さまは遠い昔から未来まで生き、永遠にあらゆるものを救いつづける、とくに末法の人々を救う、と書かれています。

日蓮聖人は、末法悪世の人々を救う良薬である法華経(妙法蓮華経・みょうほうれんげきょう)をひろめる役目が自分にあると自覚し、法華経を心に受け入れ、口に唱え(南無妙法蓮華経)、実行する、と誓いました。

『立正安国論(りっしょうあんこくろん)』で人と社会の幸せを鎌倉幕府に訴えたあと、たくさんの妨害にあったのですが、教えを実践している証拠であるとし、法華経の行者(ほけきょうのぎょうじゃ)として生き通しました。

弘安(こうあん)5(1282)年、数え年61歳で亡くなった日蓮聖人は、末法唱導師(まっぽうしょうどうし)と呼ばれ、お祖師(そし)さまと慕われて、いまでも人々を法華経の信仰に導いています。

その流れを正しく汲んでいるのが、日蓮宗です。

立正安国論立正安国論