本年は全国より百六十数名の行僧が、市川市中山「法華経寺」において大荒行堂に入行されました。行僧は十一月一日より明年二月十日迄の寒壱百日の間、午前三時の一番水から午後十一時の最後の水と一日七回の水行をされ、他の時間は読経堂に籠り、読経三昧の修行をされます。三十五日が過ぎますと初めて面会が許され化他行(けたぎょう)と申しまして、人々にご祈祷をすることが出来るようになります。
『御祈祷加持とは加被加持力なり』
加行僧は、暁天三時より深夜十一時に至るまで 寒水に身を浄め読経三昧に入り聲音絶やすことなく大尊神様にかしづき 毎日御給仕申し上げております「自身佛にならずして父母だにも救い難し 況んや他人をや」の大聖人の御言葉の通り 自身佛に成らんと欲して難行苦行、忍苦の行を貫き通し 苦修練行の壱百日の中に自己の心身に功徳霊気がみなぎり「妙法の経力」となってその功徳が蓄積されるのであります その経力と本佛の慈悲、諸天善神の御加護を檀信徒に加えんとするのが加被加持力なのであります しかしながら、その加持力の功徳もそれを持たんとする信者の信心が無ければ いかなる願いも叶ひがたいのであります、加えんとする行者の願いと持たんとする信者の信心が一体となってこそ尚一層の御利益が生まれるのであります。願わくば 我ら行者と異体同心にして御祈祷御加持を受けられんことこそ信心の肝要なのであります。
日蓮大聖人の御言葉に日く
「信心よはくては佛に成らん事叶ひ難し 縦ひ貧なりとも信心強して志深からんは 佛に成らん事疑ひあるべからず」
信養寺では毎年十二月二十三日に荒行僧を見舞い、加持祈祷を受けております。今年は九十数名の申込者と共に加持祈祷を受け、さらに中山法華経寺の鬼子母尊神様のお姿を拝み、明くる年の家内安全・身体健全を祈念していただきました。