日蓮大聖人第733遠忌報恩お会式

信養寺の「お会式」が、平成26年10月19日(日曜日)に厳修されました。

午前11時より信養寺住職小林栄量上人ご導師のもと、杉浦上人、高野上人式衆にて法要が厳かに執り行われました。
昼食をはさみ、午後1時からは、大阪「雲雷寺」住職の伊丹瑞栄上人の法話を聴聞いたしました。

伊丹上人法話

伊丹上人法話


伊丹上人は小林上人と大学以来の親友とのことで、一作年のお会式で初めて法話をして下さり、以来毎年法話をして下さるとのお約束通り、今年も早朝に大阪を発たれ信養寺にお出でいただき「お会式」の法要にもご出席下さいました。
伊丹上人からは、日蓮聖人が鎌倉幕府から迫害を受けながらも「法華経」を説き広めた、その生涯についての法話をいただきましたので、その内容を皆様にもお知らせしたく筆を執ったところです。

東日本大震災を始め、近年日本各地で自然災害が次々と発生しています。最近では広島での土石流、御嶽山の噴火や各地での豪雨災害、「デング熱」や「エボラ出血熱」という耳慣れないウィルス性の病気も発生するなど、日蓮聖人がご活躍された時代と現在の社会状況がよく似ていると言われております。
日蓮聖人が法華経を世に示された鎌倉時代は仏教の「末法(まっぽう)」の世に入っており、自然災害や疫病が蔓延し人々は苦しい生活を虐げられていました。この窮状を救うためには「法華経」の教えに基づいた国づくり以外にないと「立正安国論」を説かれ鎌倉幕府に呈上しましたが、時の執権北条氏には受け入れられず多くの法難に遭うこととなってしまいました。

「法華経」には、この教えを末法に広めるものは上行菩薩であり、二度の島流しに遭いさらに多くの難に遇うと書かれているそうです。日蓮聖人は伊豆、佐渡への二度に渡り流罪に処せられ、在るときは馬上から切りつけられ、また処刑される寸前で奇跡的に難を逃れたりと、幾度となく「命」を落としそうになりながらも、法力により難を逃れられました。この経験から法華経に説かれている上行菩薩は自分自身であることを確信されたそうです。
法華経以前の教えと「法華経」の違いはどこにあるのでしょうか。それまでの教では、女性と悪人は仏になれないとされていましたが、「法華経」では、女人成佛、悪人成佛を明かされ、すべての人々は平等に成佛できる機会を与えられていると説かれており、最大の違いはここにあります。

日蓮聖人は度重なる難を乗り越え佐渡流罪の後、身延山に入山されこの地で弟子とともに9年間、法華経修行の日々を過ごされました。日蓮聖人は「恩」について、その生涯を通してのテーマとされていたそうです。日蓮聖人は、12歳で清澄寺に入り16歳で出家するまでの間、清澄寺の住職であった「道善房」を師と仰ぎ修行に励まれました。その「道善房」上人が亡くなられた折にその恩に報いるため著されたのが、御妙判(ごみょうはん)の「報恩鈔(ほうおんしょう)」です。

また、伊豆流罪中には「四恩鈔(しおんしょう)」を著わされ、四つの恩があると説かれています。
一つは、「父母」への恩です。私達は、両親の出会いがなければこの世に生を受けることはできません。自分の身も心も父母の命を受け継いだものと感謝することです。

二つには、「国」への恩です。正しい考えの基に国を治めれば、平和な世を築くことができる。そのために日蓮聖人は「立正安国論」を鎌倉幕府に諫(かん)暁(ぎょう)されたのです。

三つには、「一切(いっさい)衆生(しゅじょう)」への恩です。人は自分ひとりで生きているのではない。周囲の人々は勿論の事、命あるものすべての恩恵を受けて生かされていることです。

四つには、「三宝」への恩です。三宝とは、仏の恩・法の恩・僧の恩の三つです。仏の恩とはご本仏・お釈迦さまのご恩、法の恩とは、法華経・南無妙法蓮華経のご恩、僧の恩とは、上行菩薩・日蓮聖人のご恩のことです。我々の住む「娑婆世界」を救うため出現された「お釈迦さま」。その「お釈迦さま」がお説きになられた最高の教えが「法華経」です。数々の苦難に遇いながらも、その「法華経」を伝え弘めてこられた「日蓮聖人」への大恩を忘れてはなりません。

伊丹瑞栄上人の法話を聴聞し「お会式」の意義を深く知ることができました。私達も縁あって法華経(日蓮宗)の信者となり、充実した日々を送ることができています。このことに感謝し、日蓮聖人への恩に報いるため捧げる法要が「お会式」です。

日蓮聖人がご活躍された時代と現代とでは社会情勢が大きく異なりますが、人として根底にあるものには違いはないと思います。父母への感謝、国を憂う思い、生きとし生きるものすべてに感謝する心、法華経へ導いて下さった「日蓮聖人」への大恩を常に心に留め、信仰の道を歩み続けてまいります。

お会式の「会」の文字は、人々が集まるという意味もあるとのことです。来年もまた信養寺に一堂に会し、伊丹上人の法話を聴聞させていただきたいと思います。伊丹上人ありがとうございました。

御会式法要

御会式法要


献茶式

献茶式


お点前 

お点前 

* 末法 仏教での時代の観念
正法(しょうぼう) お釈迦様の教えが正しく伝わる時代で千年続く
像法(ぞうほう) お釈迦様の教えの像(かたち)だけが残る時代で千年続く
末法(まっぽう) 正しい教えが伝わらず邪な教えが蔓延する時代で一万年続く

信養寺 世話人 中村 正弓