平成二十七年四月十八日(土)、十九日(日)に日蓮宗の総本山である身延山久遠寺において、日蓮宗聖徒団 第五十回 記念全国結集身延大会が挙行されました。この記念大会に信養寺の小林栄量上人が全国の支部長を代表し、奉告式法要を始め各行事において副導師を勤められました。信養寺の信者として大変喜ばしく、また、光栄に感じております。信養寺聖徒団では第四十七回大会より参加し、今回で四回目となります。昨年、一昨年と小雨まじりの中での式典でしたが、今年は多少寒かったものの天候にも恵まれ、全国各地から七十六団体、約一、000人に及ぶ日蓮宗の聖徒が一同に会し、日蓮大聖人さまの眠る身延山久遠寺に集結しました。この大会の模様を皆様にご報告させて頂きます。
大会初日、午後一時五十分より「祖(そ)廟(びょう)参拝(さんぱい)」(日蓮大聖人のお墓参り)から行事がスタートします。小林上人を含む首導一行八名を先頭に、各聖徒団が列を連ねお題目を唱えながら祖廟へと向かい、御参りをさせていただきました。
続いて、信養寺聖徒団は身延山山頂にある「思親閣」への参拝に向かいました。「思親閣」は日蓮大聖人さまが、身延山山頂から生まれ故郷である千葉県の小湊に向かい、両親の菩提を弔ったことから親を思う「思親閣」と名づけられています。今年は、日蓮大聖人さまの御母の第七五〇遠忌のため、日頃は厨子に納められている日蓮大聖人さまの御両親の像も、厨子から出ておられ貴重なお姿を拝見できました。その後、夜の行事「唱題修行」に備えて宿坊にて夕食を済ませた後、午後七時半より山門前にて「唱題修行」が始まりました。
数百人の聖徒が唱えるお題目「南無妙法蓮華経」が、太鼓の音とともに身延山に響き渡ります。暗闇の中、大本堂へと続く石段は無数の竹灯篭で埋め尽くされ、「南無妙法蓮華経」の文字が浮かび上がり幻想的な世界が広がっていました。一心にお題目を唱えていると自然と体が温かくなり、力が湧いてくるような感覚を覚えました。
三十分間の「唱題修行」も気がつけば終わりを迎え、五十回を記念しての祝賀花火大会へと移ります。身延の夜空に色鮮やかな大輪の花火が頭上に降り注ぐように次々と打ち上げられ、都会の花火大会では見ることのできない絶景を味あわせていただき感動しました。
翌日は、午前七時三十分に久遠寺境内に集合し、全国各地から参加した聖徒団が団旗を奉じる「団旗観閲式」から行事がスタートしました。身延山久遠寺法主、日蓮宗宗務総長をはじめ役職の方々(小林上人も)が見守る中、北海道から九州まで参加聖徒団が次々に紹介され、紫紺の団旗が誇らしげに行進する姿は、全国結集身延大会の力強さを感じました。その後、全聖徒が大本堂に着座し、記念法話、祝辞、聖徒代表による献灯、献華、献香、納経、優秀聖徒団表彰と進み、小林上人が副導師を勤める「奉告式法要」が執り行われました。参加した聖徒一、000人の気持ちが一つになり唱えるお題目は、必ずや日蓮大聖人さまの下へ届くものと思います。記念法話での身延山久遠寺法主内野猊下の「総和」についてのお話に感銘を受けました。私たち一人ひとりのお題目の力を結集することで、現世が霊山浄土となり人々がやすらぎ平和な世界を次世代に繋げていくことができる。これこそが、日蓮大聖人さまの「異体同心」の教えそのものである。とのお話が印象深く残りました。全国各地から一同に会した約一、〇〇〇人の聖徒は偶然に集まったわけではなく、聖徒としての使命を果たすため、日蓮大聖人さまがお導きになったものと感じます。「四誓願」に謳われている「南無妙法連華経の道を持ち、行い、護り、弘める」こと。に力を尽くすよう背中を押されたような気持ちになりました。最後に、聖徒を代表して九十一歳になる女性の方が「誓いの言葉」を奉読されました。昨年、心臓の動脈瘤が見つかり直ちに手術を行わなければならない。との診断を下されたそうですが、霊断していただいたところ、手術は必要ないとの霊示であったため手術を断り、五十回の記念大会に絶対に参加できるよう、一心にお題目を唱え倶生霊神さまにご守護を祈られたそうです。今ではすっかり回復され「誓いの言葉」を奉読される姿は、とても九十一歳という高齢を感じさせないものでした。改めて「お題目」と「倶生霊神さま」の尊さを実感することができました。早朝からの一連の行事が滞りなく進み、第五十回の全国結集身延大会は無事終了しました。
広報担当 中村正弓
写真提供 沢里 正