平成28年8月27日(土)・28日(日)の2日間にわたり、信養寺の恒例行事「七面山参拝登山」が行われました。小林上人を参拝団長に男性17名、女性9名の総勢26名の方が参加しました。
また、登山できない方(9名)は麓に残り、登下山の無事を祈っていただくとともに、日蓮宗の総本山である久遠寺、御廟所、お万様のお寺など日蓮大聖人ゆかりの寺院を参拝しました。
登山口の鳥居をくぐるとすぐに当山を開いた日朗上人の石碑があります。小林上人以下総勢35名で登下山の安全を祈願し、午前11時半あいにくの雨模様の中ではありましたが、全員元気に「ご修行」へとスタートしました。
二丁にある水子観音堂ではお供物をお供えし、水子さまのご供養をします。ここで麓に残る方々と別れ、七面山登山の始まりです。
登山口から山頂まで標高差1,200mの険しい山道(この道中は一丁から五十丁(山頂)までと現されています)を6~7時間かけて登ります。七面山はかなりの急こう配を登下山するため「苦行」と言われています。
登山の道中は団扇太鼓をたたき、お題目「南無妙法連蓮華」を唱えながら、全員の気持ちを一つ(異体同心)にして登ります。
急坂を登るので四丁から五丁ごとに休憩を取りますが、この時にお上人は説法をして下さいます。「法華経」やお題目「南無妙法連蓮華」の持つ意味やありがたさなど、初めて参加される方にも分かりやすく教えていただけます。
登山の道中でのお上人の説法は、信養寺参拝団の一員しか聞くことのできない貴重な体験です。私は15回目の登山ですが毎回、新たな感動を与えていただけます。
山頂までの間に 13丁、23丁、36丁の3か所にあり、毎年13丁の休憩所で昼食のおにぎりをいただきます。
大木に囲まれた山道を進むと三十丁あたりで、唯一視界が開け遠く富士山が望める場所があります。ここで、参加者の先祖供養と背後に頼る霊魂に追善供養が行われます。(雨のため視界ゼロでした)
四十丁には無縁堂があり、ここでもお供物をお供えし無縁仏のご供養をします。
雨の中での登山はキツイの一言ですが、四十五丁を過ぎると永遠に続くかと思われた山道が開け「和光関」が現れます。午後7時ようやく宿坊「敬慎院」に到着。夕食(もちろん精進料理)を頂いた後、本堂で七面大明神様のご開帳をしていただきます。神々しいそのお姿に感動しここまで登ったものにしか味わえない充実感を覚えます。
午後9時、ここからが信養寺参拝団にしかできない「夜の行」が行なわれます。龍女である七面大明神様が住まわれている二の池のお社へと向かいます。七面大明神様は日蓮大聖人の説法を聞き「法華経の守護神として法華経を信仰する人々を守り、心の安らぎと満足を与え続けます。」と日蓮大聖人にお誓いした法華経の守護神です。
守護神である七面大明神様に願い事を叶えていただくため、雨の降る中それぞれが祈願するところを携え「苦行」と言われる登山をしてきたのです。お社の前で一人ひとり祈願成就を一心に言上(心読)します。お上人から個々にご祈祷をしていただいた後、祈願文を燃やし二の池へと流して「夜の行」も終了となります。
その後、宿坊の「敬慎院」へ戻ると深夜12時になっていました。薄い巻布団にくるまって就寝です。
翌朝は、午前4時半に起床。天気が良ければ富士山からのご来光を拝めますが、前日に続きあいにくの雨模様のため、登山者全員で鐘つきを行い、5時に下山開始です。
9時に出発地点の日朗上人の石碑前に全員が到着し、無事に登下山できたことへの御礼を言上し、滝行へと向かいます。
気温も低く雨の影響で水量も多くて、今年の「お滝」は大変だなと思いつつふんどし姿で、お上人にお清めの塩を掛けていただき、滝壺へ下りていきます。滝壺は冷たい風が吹き抜け寒さで震えが止まりません。
始めにお上人が滝に入り読経をされながら滝に打たれます。お上人が滝の壁を両手で掴み、読経される姿はまさに修行僧そのもの。尊敬の一言です。
滝に打たれると呼吸もできない程の水量が両肩にのしかかってきます。声を出せるような状況ではないはずですが、自然と「南無妙法蓮華経」と大きな声で唱えています。
お上人が各自の背中に数珠をあてご祈祷していただき、滝行も終了となります。冷たい水に打たれ体は冷え切っているはずですが不思議と寒さは感じず、心地よい爽快感が残ります。
バスで下部ホテルへ移動し、疲れ切った足腰を癒してくれるお風呂をいただきました。登下山、夜の行、滝行と七面山での信養寺の行事も無事終了し、昼食をとりながら参加された方々から、今回の参拝登山についての感想を伺いました。この二日間の貴重な体験はこれからの日々に必ず役立つものと思います。
二日間に渡る「七面山参拝登山」を今年も無事終わることができ、お上人に感謝御礼申し上げます。今回、参加されました35名の皆様お世話になりありがとうございました。
来年も8月最終の土日に「七面山参拝登山」を行う予定です。多くの方々のご参加をお待ちしております。
広報 中村正弓