日蓮大聖人第735遠忌報恩御会式

平成28年10月16日(日曜日)信養寺の「御会式」が厳修されました。

毎年、「お会式」の前に一服の薄茶とお菓子を召し上がって頂いております。

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午前11時より信養寺住職小林栄量上人ご導師のもと、杉浦上人、高野上人式衆にて日蓮大聖人報恩法要が厳かに執り行われました。

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参加者全員で昼食をいただいた後、午後1時からは例年どおり、大阪「雲雷寺」住職の伊丹瑞栄上人の法話を聴聞しました。伊丹上人は小林上人と大学以来の親友で、平成24年のお会式から法話をして下さり、今年で5回目となりました。毎回ユーモアを交えながら分かり易くお話をしていただいております。

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伊丹上人の法話は「平等」とは、ということからスタートしました。お釈迦さまが生まれたインドでは、60年前に廃止となったカースト制度が未だに残っており、身分の差による殺人事件も起こっているそうです。

「天上天下 唯我独尊」お釈迦さまが生まれて直ぐに言われたとされる有名な言葉です。さらに「三界皆苦 悉是度比」と続きます。自分より身分が上でも下でも、人々は皆平等で尊い存在であり、現世で苦しんでいる人々を自分が悉く救済する。と宣言され当時のカースト制度を批判したものなのです。30歳で覚りを開き50年間に亘り多くの教えを残されましたが、法華経以前のお経では女性や悪人は成仏出来ないと説かれており、決して平等とは言えません。なぜ差別があったのでしょうか。

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お釈迦さまが布教を始めた時はカースト制度が当たり前であり、すべてがカースト制度の上に成り立っていたため、それを簡単には覆せない、人々に受け入れられないと考えたからです。当時の人々が理解しやすいようにやむなく差をつけ徐々に平等という教えを広め、最後の法華経(提婆達多品)では、悪人も改心すれば成仏でき、女性も含めすべての人々が平等に成仏できると説かれたのです。

法華経がお釈迦さまの最高の教えであると確信された日蓮聖人は、その教えを体得し数々の苦難にも合いながらも布教にまい進され、1274年に身延山に入られましたが、8年後に病気治療のため離山され1282年10月13日に池上本門寺でご入滅されました。お亡くなりになる直前に6人の弟子に後を託され、同時に孫弟子にあたる日像上人に京都に上り天皇に法華経を講ずるよう付託されました。この言葉に従い日像上人は京都で布教活動を行いますがやはり苦難の連続で、三回の追放された後ようやく天皇に法華経を講じることができ、正式に京都での布教活動の許しを得られました。これにより法華経が日本に広まることとなりました。

世界各国で民族や宗教などにより差別が生まれ、紛争が絶えない世になっています。まさにお釈迦さまが説かれた「末法の時代」であり、これを救うためお釈迦さまは「法華経」を残されました。私たちは、差別のない平等で平安な社会の一助となるよう正しい信仰を続けていかなければなりません。

広報 中村正弓