日蓮大聖人第七三六遠忌報恩御会式

 

平成二十九年十月十五日(日)小雨降る中、信養寺に於て 日蓮大聖人第七三六遠忌報恩御会式が厳修されました。当日は二階客殿(多目的ホール)に於て、お抹茶のお茶席が設けられており、表千家講師中村宗和先生一家一門によりお薄とお菓子の御振舞いがありました。

日頃の気忙しさから解放され、心穏やかに癒され、身も心も豊かにさせて頂き法要に臨む事が出来ました。中村先生はじめ皆様ありがとうございました。

 

 

 

日蓮大聖人は幾度の法難にお遭いになり乍らも、私達衆生をお救い下さるため法華経をお弘めお残し下さいました。今年は大聖人の第七三六遠忌に当たります。

当山住職小林栄量上人御導師の下、矢田堀堯司上人並びに阿部全雄上人により、大聖人に報恩の慎を捧げるべく法要が厳修されました。

檀信徒の皆様も心一つに一心に感謝の気持ちを込めお題目をお唱え致しました。

法要中、大聖人に献茶の奉納もあり、又散華もあり、それはまるで色とりどりの華がお経文の文字となって皆様の頭上に舞って来た様な有難い感じが致しました。

法要が済むと、食事の用意がされており、普段なかなかゆっくりお話しする時間もないので、皆様和やかに話をされ乍ら楽しいひと時を過ごしておられました。

一時より本堂に於て 大阪雲雷寺住職 伊丹瑞栄上人による法話を頂きました。

伊丹上人は小林栄量上人とは、大学時代からの親友であり格式の高い立派なお寺のご住職であるにもかかわらず、とても親しみ易く、明るく、笑いを誘い乍ら、「報恩御会式とは、日蓮大聖人のご命日の法要であり、恩に報いるには恩を感じないと報いる事が出来ない」という内容を色々な事例を交え乍らわかり易くご法話下さいました。

不思議な事というのは、まわりに沢山あります。先ず私達が生きている事が不思議で、因縁によって生かされているという事、又夢でも色々な不思議な事をお知らせ頂いていると、実例として、伊丹上人の奥様が見られた夢の話をしてくださいました。

日蓮大聖人も幼少の頃、不思議な体験をされていらっしゃいます。幼少の頃のみならず生涯を通して神秘現象を体験していらっしゃいます。その一つとして大聖人が十二歳の時、清澄で得度をし、善日麿となりました。出家の動機は、お釈迦様お一人がお説きになった教えなのに、何故何人もの人が違った法を説き、八宗十宗もあるのだろうかという疑問を解く為であり、清澄寺に祀られていた智恵の神様と言われている虚空蔵菩薩に「日本第一の智者にして欲しい」と祈願しました。ある日、夢か幻か分からないが、もうろうとした中で高僧となって虚空蔵菩薩が智慧の宝珠を下さいました。ご自分の祈願が叶った瞬間でした。出家して十六歳で蓮長となり、鎌倉に行って勉強し、続いて比叡山に行き十六年間又勉強をし、三十二歳の時自分は上行菩薩の生まれ変わりだという確信と自覚を持ち、比叡山を下り、お題目を全世界に広める決意を持ち、大阪、伊勢を通り、房州小湊に帰って来て、立教開宗をしました。待ちわびていた人達に、仏になる道はお題目一つしかない、と説法した為に、念仏等を信じていた人達に、清澄から追放されてしまうが、お題目を弘めると必ず迫害にあう事は分かっていたが、上行菩薩の生まれ変わりならば法華経を弘める任務があると、幾多の迫害を受け乍らも動ずる事なく説き続けて下さいました。この法華経を弘めたら、こういうふうになりますと、法華経のお経本の第十三番目の勧持品に全て書いてあります。我々に変わって始めに法難を受けられ、一生迫害を受け乍らも私達衆生をお救い下さる為、法華経をお弘めお残し下さった有難い日蓮大聖人に心より報恩感謝をしたいと思います。と伊丹上人は法話を閉じられました。そして又来年の御会式にも来て下さりご法話下さる事をお約束してくださいました。

本当に分かり易くお話し頂きましてありがとうございました。

記録 小林正子